コラム 第50回導入を検討したい勤務間インターバル制度
「労働時間等設定改善法」(労働時間等の改善に関する特別措置法)が改正され、2019年4月1日より勤務間インターバル制度の導入は企業の努力義務となりました。 国は2025年までに導入している企業の割合を15%以上とするという数値目標を定めています。2022年10月に厚生労働省から公表された「2022年の就労条件総合調査の結果」からその導入状況、そして制度の導入を検討する際のポイントをとり上げます。
■ 勤務間インターバル制度とは?
勤務間インターバル制度とは、終業時刻から次の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を設けることで、従業員の生活時間や睡眠時間を確保しようとするものです。
勤務間インターバル制度を導入した場合、例えば次の図にみるような働き方が考えられます。
■ 勤務間インターバル制度の導入状況
勤務間インターバル制度を導入している企業の割合をみると、「導入している」が5.8%(2021年調査4.6%)、「導入を予定又は検討している」が12.7%(同13.8%)、「導入予定はなく、検討もしていない」が80.4%(同80.2%)となっています。努力義務となっても、実際に導入している企業はまだ少ないということが分かります。企業規模別でみると、おおむね従業員数が多くなるにつれて導入済み、または導入に向けた動きをしている割合が高くなります。
■ 勤務間インターバル時間
制度を導入する際には、終業時刻から始業時刻までの間に空ける時間、いわゆる「インターバル時間数」の設定をします。法令で時間数の定めは特にありませんが、通勤時間や食事の時間等を鑑みた上で、一定の睡眠時間の確保ができる時間設定が必要になります。
■ 制度導入を検討する際のポイント
制度を導入する際には、終業時刻から始業時刻までの間に空ける時間、いわゆる「インターバル時間数」の設定をします。法令で時間数の定めは特にありませんが、通勤時間や食事の時間等を鑑みた上で、一定の睡眠時間の確保ができる時間設定が必要になります。
■ 失業等給付における各給付の概要
制度を導入する際の主な検討項目は次のとおりです。
- ①制度の適用対象となる従業員の範囲
- ②インターバル時間数
- ③インターバルを確保することにより、翌日の始業時刻を超える場合の取扱い
- ④インターバル時間の確保に関する申請手続き
この中で、③については、インターバル時間と翌日の始業時刻が重複する部分を働いたものとみなすという方法と、翌日の始業時刻を後ろ倒しにする方法の2つが考えられます。また、後者の取扱いについて、「翌日の終業時刻も後ろ倒しにする」、「翌日の終業時刻は変更しない」等の方法が考えられ、導入をする際には取扱いを定めておく必要があります(下図参照)
勤務間インターバル制度導入に伴う助成金
働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)という助成金もございますので、ぜひご活用ください。
詳しい内容等につきましては、厚生労働省のホームページにも載っておりますのでご覧ください。
2023.04.27