2024年12月2日からマイナ保険証の本格的な利用がスタートします
コラム 第68回
ついに来月2日から、現行の健康保険証の新規発行が終了し、健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカード(以下、「マイナ保険証」という)の利用が本格化されます。
本格的な利用の開始前に、必要となる事務手続きを中心に確認していきたいと思います。
なお、全国健康保険協会(以下、「協会けんぽ」という)のケースで解説していきます。保険者により様式や事務手続きが異なる場合がありますので、加入している医療保険者からの情報を合わせてご確認ください。
【現行の健康保険証の取扱い】
2024年12月1日以前に発行済の健康保険証は、最長で1年間(2025年12月1日まで)引き続き利用することができます。
そのため、2025年12月1日までに退職等で資格喪失する場合には、今までどおり健康保険証の回収が必要となります。なお、資格喪失が2025年12月2日以降の場合は健康保険証の自己破棄が可能です。
【資格情報のお知らせ】
マイナ保険証を利用するには、①マイナンバーカードの発行、②マイナンバーカードへの「保険証利用登録」、③医療保険の資格情報とマイナンバーの紐づけの3点が必要となります。
③の登録状況確認のため、協会けんぽから9月(加入時期によって、2025年1月以降に配布)に「資格情報のおしらせ」が配布され、これにマイナンバーの登録状況が記載されています。
協会けんぽにマイナンバーが登録されている場合には、マイナンバーの下4桁が表示されています。登録されているマイナンバーが正しいか加入者自身で確認が必要です。マイナンバー登録がされていない場合には、「マイナンバー登録申出書」が同封されており、この申出書を利用して協会けんぽへ提出することができます。
また、「資格情報のおしらせ」はマイナ保険証を利用できる場合にも重要な書類となります。
医療機関のカードリーダーが利用できない場合には、マイナ保険証と「資格情報のおしらせ」を提示することで受診できるようになります。マイナンバーカードと併せて大切に保管するよう従業員に周知しておきましょう。
【資格確認書】
事情により、マイナンバーカードの健康保険証利用登録をしていない方には、「資格確認書」が発行され、資格確認書の提示により医療機関を受診することができます。
「資格確認書」は2024年12月2日以降の発行となります。
新規の加入者については、資格取得時に申請することにより発行されます。
これに伴い、2025年12月2日以降の「被保険者資格取得届」や「被扶養者(異動)届」の様式が変更され、「資格確認書発行要否」欄が新たに設けられます。
電子申請の際に使用する様式の確認や、郵送申請する場合には様式の差し替えなど忘れずに行いましょう。
なお、資格取得時に「資格確認書」発行の申請がなかった場合であっても、マイナンバーカードの健康保険証利用登録をしていない場合には申請によらず発行されると協会けんぽから発表されています。しかし、この場合、発行にはかなりの時間がかかるようです。資格取得時に従業員に確認し、必要のある場合には忘れずに申請しましょう。
既存の加入者については、現行の健康保険証が利用できなくなる2025年12月2日以降に、マイナンバーカードの健康保険証利用登録をしていない方に対し発行されます。
マイナ保険証の利用には、利用登録など面倒な作業が必要になりますが、「限度額認定証」や「高齢受給者証」の発行手続きや持参が不要となったり、マイナポータルから入手できる「医療費通知情報」により確定申告の医療費控除が簡単にできるなど、メリットも多くあります。
制度改正後の保険証等の取扱いを把握し、マイナ保険証の完全移行までに従業員への呼びかけを進めていきましょう。